片足つっこみたい

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舞台『密やかな結晶』レポ(前半)

一時期全日程満席だったので諦めていたのですが、追加の席が出来たということで速攻予約。観に行きました。

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・映画情報

『密やかな結晶』(2018年2月〜)

原作:小川洋子講談社文庫) 脚本・演出:鄭 義信

キャスト:石原さとみ 村上虹郎 鈴木浩介
藤原季節 山田ジェームス武 福山康平 風間由次郎
江戸川萬時 益山寛司 キキ花香 山村涼子/山内圭哉 ベンガル

 

・あらすじ(一部公式より引用)

海に囲まれた静かな小島。この島では“消滅”が起こる。香水や鳥、帽子など、様々なものが、“消滅”していった。 “消滅”が起こると、島民は身の周りからその痕跡を消去し始める。 同時にそれにまつわる記憶も減退していく。

この消滅する島の人々を巡る物語を、小説家である主人公「わたし」(石原さとみ)と、同居する「おじいさん」(村上虹郎)、編集者の「R氏」(鈴木浩介)を主軸に観ていくお話です。

東京芸術劇場プレイハウスに初めて訪問したが、客席は趣のある伝統的な建物といった形。外見からだともうすこし隈研吾のような近代的な雰囲気かと想像していたので驚き。

 

以下観劇の記録(ネタバレあり)※記憶違いご容赦下さい。

 

突然落ちてくるフェンス、青年が籠を持ちながら逃げ回る。この島では“消滅”したものを廃棄するための組織「秘密警察」が存在する。幕が開けた日は、この島から「鳥」が消滅したらしい。青年が持っていた籠のなかの鳥はあっけなく秘密警察の手によって生命を絶たれてしまう。

 

舞台は転換し、「わたし」と「おじいさん」が住む室内へ。

「わたし」は木箱から既に消滅したはずの「リボン」や「香水」をとり出す。

香水は母の持ち物で父とのデートのときにはよくつけていたらしいが、わたしは香水をつける理由理解できない。消滅してしまうと、存在が無価値なように感じてしまう。おじいさんも然り。

消滅したものの流れで、おじいさんがこの島で起こった初めての消滅の話を始めた。最初にこの島から消えたのは薔薇だった。薔薇が急に海へ引き寄せられ、それは素敵な光景だったとわたしに言った。

 

そこへ突然、来訪者を知らせるドアを叩く音がした。わたしとおじいさんは慌ててそれらの「消滅したはずのもの」を木箱にしまい込み、本棚の裏の隠し部屋にしまいこむ。

荒々しくドアを叩いていたのは「フォーゲット」(山内圭哉)率いる秘密警察だった。

島から鳥が消滅したこの日。彼らは部屋の中から鳥に関するありとあらゆるものを捜索し、回収していった。この時に秘密警察がフォーゲットの発言に合わせて素早い動きをする(久々の生藤原季節くん!)。

荒れ果てた部屋を掃除する二人に、再び来訪者が。今後は編集者の「R氏」(鈴木浩介)だった。彼はわたしが書いた小説の原稿を受け取りに訪れたのだった。

ここでは三人の和やかな会話がテンポよく進む。わたしとおじいさんの和やかなボケにR氏が突っ込むという流れが時折笑いを誘っていた。

その中の一つの議題として、私は舞台の幕開けから疑問に思っていたことが挙げられた。「おじいさん」と呼ばれている村上虹郎は1997年生まれの俳優ということなので、どうみてもおじいさんには視えないのだが、そういう設定だと思っておくべきと考えていた。しかし、劇中でR氏も同じことを指摘していたので、若く見えるのは間違いではないようだった。ただ何故若くみえるのかは劇中では追求はされなかったが物語の進行に弊害もなかった。

(わたし曰く、「おじいさんは、わたしが幼少期に出会った頃からおじいさん」らしい。)

そしてR氏はわたしが執筆する小説の第一号のファンだと言いながら原稿を受け取った。

 

また舞台は転回し、秘密警察のシーン。ボスのフォーゲットは基本的に関西弁で話し、怒涛の突込みと小ボケをはさみながら秘密警察の部下と会話をすすめる。秘密警察は基本的に若い人たちで構成されているのだが、一人だけ圧倒的に歳上の方(ベンガル)が混じっていてそこをいじられていた。(確か)その後、「生まれてくるものより消滅することのほうが圧倒的に多いこの島」に関する疑問がぽつりと出てくるものの、「島の人間が消滅を受け入れている」と一蹴される。そしてまたここでダンスが!季節君はベンガルさんを運んだ後からしれっとダンスに参加していた。最初から踊らんのかーい。と思いつつ。

 

その後、乾教授一家ベンガル・藤原季節・福山康平)がわたしの家に訪ねてくる。

そこでわたしが聴いた内容は「秘密警察に協力を要請された」とのことだった。

秘密警察の目的は、乾教授の遺伝子研究(詳細覚えてない)によって、この島の中にいる消滅の記憶をもつ「レコーダー」を探し出すことらしい。

そんなことに技術を渡したくない乾教授、母と同じように記憶警察に連れて行かれたら死んでしまうと訴えるわたし。しかしながら逃げることも難しく、乾一家はわたしの家を去る。

別れ際に乾教授とわたしのひたすら長いハグのくだりがあった。兄役の季節君に小突かれながらも終始泣いていた弟役の福山くんはハグさえさせてくれなくて可愛そうだった。

乾教授一家はわたしの家を去った後、秘密警察に襲われてしまう。

 

そして、ある日「小説」の消滅が訪れる。それはわたしの仕事がなくなることであり、わたしとR氏の接点が無くなることでもあった。

R氏はわたしに小説を書き続けるべきだと熱心に訴える。そしてその中でR氏から「レコーダー」であることを打ち明けられる。

レコーダーであるということは、秘密警察の手によって抹殺されることを意味するため。わたしは、R氏を隠し部屋に住まわせることを決めた。隠し部屋にはおじいさんの手によってトイレとベッド、外と連絡がとれるように糸電話のようなものが取り付けられていた。

そして、3人の同居生活が始まった。

R氏はわたしになぜ僕を助けるのかと問う。わたしは、貴方がわたしの小説の一番のファンであること、居なくなったら悲しいことを伝えるがそれはいずれも今ひとつ一線を超えない内容であった。R氏としてはその好意が恋人に湧くべき感情かどうか見定めたかったようだが、この島の人たちの心は消滅とともに憔悴してしまい、わたしにも恋愛感情かどうかわからないようだった。

隠し部屋でわたしとR氏が消滅した「あいしてる」という言葉について語り合う風景を本棚(隠し扉)から悲しげに見つめるおじいさんの姿。これがめちゃくちゃ印象的。何、それってどういう感情なの。子供が巣立ちそうで悲しいってこと?それとも恋情?なんだ、なんだ…と思っているとおじいさんはそっと外へ。雨の中歌いながらステップを踏む。おじいさんは劇中一貫して笑顔なのだが、この時は笑顔の中にも哀しさが見えた。

そのシーンがナタリーさんの写真。

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その後舞台は転回し、町の人々が本を焼却炉に持ち込んでいる。思い入れがある本を名残惜しそうに見つめていると秘密警察に回収され焼却炉に捨てられる。本がなくなること、これからも消滅は避けられないことに絶望した住民の一人が焼却炉に身投げをした。

 

誰もいなくなった焼却炉の前にフォーゲットが現れて、前半が終了。

 

 

 

意外と文章が長くなってしまったので続きは後半で。